小高芳太朗生誕30周年記念 生まれて初めてのソロリサイタル@北沢タウンホール


たまーに、あぁこの人は歌うために生まれてきたんだなぁ、と思わせる人が居る。天才ってやつだ。天から何かが降ってきたかのように、歌い出す。
小高くんはそうではない、と思う。でも、努力の人だ。
一人で勝負してみたかった。バンドだとミスしても周りがカバーしてくれるけど、ソロだとそうはいかない。バンドというものが好き、バンドの起こす化学反応が好き、だからソロで得たものをバンドに持ち帰って、そこでまたいい反応を起こしたい。そんなようなことを言ってました。
一応FC限定ものだから、あんまり詳細は書かないつもり…と思ったけど書きたいことが多くてちょっと長くなってしまったよ。




あんまりバンドでやらない曲が多かった。どれも大事な曲たちだから、たまには風通ししないと、って。
ほとんどの人が知らないかもしれない、というか、ライブで聴いたことないかもしれない、と紹介されたいつかの電車の音がする。ここ2〜3年で聴いたような気がするんだけどなー。久々すぎて歌詞が全然思い出せなかったそうで。聴き直してみたら、声が若い!って。そりゃ6年前だからね。プリズムのC/Wなんで、よかったら聴いて下さい、なんて宣伝してました。


次の曲こそライブでほとんどやってないよ!という飛行機雲。小高くんが19歳の時作った曲。ランクヘッドを本格的に始める前、壮さんと悟さんが上京してくる前に、新宿とかで龍さんと一緒にやったりしてたって。さらっと龍さんの名前が出てきて、ちょっとびっくり。聴き返してみて、昔に書いた曲だけど今の心境とマッチして、絶対やろうと思ったらしい。


 ゆっくりと時間だけは過ぎて
 僕の周りもあわただしさを帯びて
 いつの間にか伸びすぎた身長に
 僕の心は取り残されてゆくようで


冒頭の歌詞になんだか、ドキッとしてしまった。


新曲は2つあって、どちらも別れの曲に聴こえたよ。
"大事に大事にしていたグラスを落として割ってしまった""どうしてガラスは割れてしまうんだろう 目に見えないヒビがだんだん増えていって ある時砕け散る""去っていく君の背中を見て立ち尽くした" "君が振り返った時寂しくないように 僕にはそれくらいしか出来ないから"…そんなニュアンス。細かい表現は全然違うかもしれないけど、ニュアンスで。
龍さんのことを歌ってるように思えちゃったのは盲目的でしょうか。小高くんは嘘のつけない人だから、歌詞に全部出ちゃうように思うんだよね。


twitterでリクエストされたというカレーの歌。カントリーロード…ですよね。新居浜でやったことを思い出しました。(行ってないけど)

トットは『トットちゃんとトットちゃんたち』の一節に感銘を受けて作った曲。前にブログで書いてたような気がする。上手く説明できないや…。


もう一つの新曲は、イントロで学校のチャイムのような音が鳴り。そのちょっと後にやっぱり"チャイム"って歌詞が出てきた。浮かぶ情景は、『教室』と同じ。その続編とも、前編とも取れる歌詞でした。もう一つの新曲と比べると、まだ定まっていない感じというか…悪く言うと練りきれてないかんじ?
続いて、教室。受けたイメージ間違ってなかったんだなー。このあたりからはMCを挟むこともなく、続けて歌ってた。というか、ようやくノッてきたというか。集中切らすこともなく。曲が終わっても拍手を挟めないような雰囲気がありました。


最後は、季節外れだけど原点に戻れる曲、ということで金木犀


 昼下がりの陽炎には金木犀が揺れていた
 僕の手には全てが掴めるようなつもりでいた


初心を、忘れないでいてほしい。こんな時だからこそ。


アンコールもちゃんとやってくれて。告知が急で申し訳ない、でもこんなに集まってくれてありがとう。ツンデレならぬツンツンやな、って。ちょっとくらいデレも見せて下さい(笑)
今日は友達の結婚パーティーがあって、でも行けないからここから届けたい。付き合ってもらえますか?ということで、ふたり。こういう曲が一曲あると便利だ、って。たしかにね。


最後の最後は、4月といったらこの曲は外せない、ということで月と手のひら。月とすっぴんツアーのファイナルで、「僕らがちっちゃい時、両親はこんな風に思ってくれてたのかな?(中略)みんなが親になった時に、この歌を思い出して欲しい。」ということを言ってたんだけど、自分が親になって歌うとまた気持ちは違うんだろうな。


「俺の歌詞って、暗いと思うんやけど。自分ではそうは思ってなくて、誰もが感じることだと思ってるんやけど。」
「俺は、暗闇の中から光を見ていたい。」
「人間というものの可能性を信じたい」
印象的だった言葉たち。断片的で申し訳ないんだけど。私が求めているランクヘッド像(というか、小高像?)はそんなかんじ。決して天才じゃない。身近で、共感できて。諦め悪くて。小高くんをまだ信じていいんだな、って思えたのでした。


01. 冬の朝
02. ギグル
03. 姫百合の花
04. いつかの電車の音がする
05. 飛行機雲
06. クローバー
07. 新曲
08. カレーの歌(くるり)
09. トット
10. 新曲
11. 教室
12. 誰かじゃなくて
13. 音のない部屋
14. グッド・バイ
15. 金木犀


En1-1. ふたり
En1-2. 月と手のひら