WORLD IS MINE@下北沢GARAGE
終わってみたら、不思議と「どうして脱退しちゃうんだよー!」と思わなかった。悪い意味じゃなく。なんでだろう。
レポにはならなかった、ただの感想文。
龍さんの好きな曲ばかりが並んだセットリスト。新しい曲、少なめだったね。最近のツアーでたくさんやったもんね。龍さんの作詞・作曲のものが多かったように思う。
帰り途から、しっとりと始まった。一打一打に込められた思いが、響き渡るみたい。月光少年では、これでもか!ってほど手を挙げた。龍さんは、いつも以上によーく観客を見てた。ニコニコ笑ったり、多分、泣きそうな子に対しては笑わせようと目を合わせたり。
覚醒☆再☆リダイヤルは嬉しかったな。一般流通してない音源のものは、今後ライブで聴けないだろうし。
ここまで何とか堪えてきたんだけど、ハイライトでもうダメだった。
"届かない言葉でもただ僕は繋ぎとめたくて 故に偽る弱い醜い心"
繋ぎとめたかったんだよ、本当に。
"だけどそんなのだって実はきっと 明日に繋がっていると思っていたいんだ"
"信じていたいんだ"
しかも次が前進〜って。出来すぎてるセットリストだよ。二曲続けて、泣きながら飛び跳ねた。夕暮れの。最後に、GARAGEで聴けてよかった。いちいち歌詞が響くんだよ。笑顔で、見届けたいのに。
"まるで幸せしかないようなそんな色に染まるのでした"
この日のGARAGEも、染まっていたよ。その場に居た人たちの思いで。みんな、同じ色してたはず。
今まで、それほど意識していなかった鼻唄とサイドアウェイの歌詞が、この日の気持ちにぴったりだった。
"君が願うほど僕は強くはないけど
君が思うほど僕は弱くはないから
あともう少し歌っていられそうな気がするよ
あともう少し笑っていられそうな気がするよ"
あともう少し歌っていられそうな気がするよ。歌う小高くんの、願いのようだった。視線を上げた小高くんの目が、潤んでいるように見えたんだもん。
桜日和を叩く龍さんは、特にいい顔をしてる。いつも笑顔だから、つられて笑顔になれる。でも、今回ばかりはマトモに顔を見られなかった。新たな旅立ちを歌うこの曲は、きつすぎる。最初から最後まで、ランクヘッドのこと、龍さんのこと、私たちのことと重ね合わせてしまって。
"夢を見て歌を歌い笑いながら
息つく暇もない日々が過ぎて
いつか穏やかに抱き締めるだろう
僕らが生きていたその日々を"
どこかのMCで小高くんが言っていたこと。
初めてGARAGEでライブをやったのは、2001年の2月5日で。当時お客さんは全然いなくて。その頃の夢はGARAGEをいっぱいにすること。いつしかそれは目標になり。夢を叶えて、新たな夢を見て、目標になって、を繰り返してきた。ランクヘッドという夢を見続けるために、今回こういうことになったんだ、って。
全部、込められてるんだね。
Ustreamで映像を配信してるけど、版権の問題をクリアできなくて、音は流せない。だから、みんなの盛り上がりでそれを全国のランクヘッズへ伝えてくれ、って。ファンは、メンバーですって。そんなの、伝わってるに決まってる。
ENTRANCEから始まる最後への流れ。終わって欲しくない。でも、その時は必ず来ちゃうんだ。
トライデント〜WORLD IS MINEと、龍さんの曲が続く。龍さんからの、最後のメッセージが、響く。
そして朝が来た。新しい旅立ち。
"解かっていたって恐いんだ
夢見たら見ただけ
失うことが"
でも
"そして闘うって事の本当の意味を知る朝が来た"
眩しかった。力強かった。
繰り返しになるけど、本当に歌詞が響くまくって、当たり前だけど歌詞もよく考えた上でのセットリストだったんだなぁ、と思う。
本編最後は、やっぱりこの曲。大切な曲。いつまでも、大切な曲。僕と樹。
先入観もあるだろうけど、この曲が始まる前の静けさは、儀式みたいだと思うんだ。4人が自分たちの心と向き合って、龍さんの叫びと一打で、それを爆発させる。みんなの鼓動が、そのまま表れているような音。アウトロが、いつまでも続いて欲しいと思った。叩きつける、みんなの姿を目に焼き付けた。
アンコールで、龍さんのMC。抜け殻な私の頭にどうにか留まっていた言葉たちはこんな部分。
「こういう形で脱退をすることが出来て、幸せです。」
「俺は、みんな以上にランクヘッドのファンだから、ライブ見にも行く。」
「音楽は続けていきたい。」
龍さんが抜けたら、間違いなくランクヘッドは変わってしまう。それは、それまで変わらないと言っていた小高くん自身も実は認めていることで。ドラムが抜けるってことは音楽的に大きく変わるってことで、聴かずしてもうランクヘッドは駄目だって思う人も居ると思う。聴いてみて、駄目だと思う人も居ると思う。でも、これはランクヘッドという夢を見続けるための決断なんだ、って。
アンコール初っ端は、この4人でこその曲。ある意味、僕と樹以上にそうかもしれない、僕らの背中と太陽と。新居浜で聴いたことを思い出した。オレンジ色に染まる。
千川は私の中でも思い出深い曲だから、聴けて嬉しかった。
そして、みんなの笑顔が好きな龍さんのセレクトらしい、カナリア。ありきたりだけど
"あなたに会えてよかった"
心の底から思う。
最後は、すべて。実は、みかん祭ですべてを聴いた時、嫌な予感がしたんだ。
"僕らがもしもう二度と出逢う時が来なくても"
の部分が妙にハッキリ聴こえて。二度と出逢わないわけじゃない、けど。隠すの下手だね、小高くんって、後から思った。
「ホントは10時で音止めで、やると怒られちゃうんだけど、GARAGEの人がやっていいっていうから。」
ありがとう出口さん!ということで、ダブルアンコールです!何にする?龍さん!
「みんなの笑顔がきらきらしたかんじのかー…」
あ、他にもあるんだ。と悟さん。
「つま先を見つめてるかんじのかー…」
「デビューなかんじのか…」
白いかんじのね。
「どうしよう?」
全部!
「さすがに全部は怒られちゃうわ(笑)俺、ほんっと今燃えカスなんで。」
「一番新しい、V0Xの中で、一番激しいかんじの曲を。昔を懐かしんでばかりでもね。」
ということで、龍さん最後の曲は、シューゲイザー。イントロの響きがキレイ過ぎて切ない。
"精神 シューゲイズ 解放!"
今までで一番、鬼気迫っていたよ。
"大丈夫まだ僕ら走っていける"
例えその目指す道が変わったとしても。
最後に、ドラムスティックをステージに置いて、龍さんは帰って行きました。
目を潤ませることはあっても、メンバーは最後まで涙は見せなかった。
清々しい、祝福してあげたいと思える門出でした。
って、終わったばかりの時は素直に思えたのでした。(意味深)
01. 帰り途
02. 月光少年
03. 東京にて
04. 羽根
05. 覚醒☆再☆リダイヤル
06. 虹
07. ハイライト
08. 前進/僕/戦場へ
09. 星の欠片
10. 夕暮れの
11. 鼻唄とサイドアウェイ
12. 夏の匂い
13. プルケリマ
14. 桜日和
15. ENTRANCE
16. 体温
17. トライデント
18. WORLD IS MINE
19. そして朝が来た
20. 僕と樹
En1-1. 僕らの背中と太陽と
En1-2. 千川通りは夕風だった
En1-3. カナリアボックス
En1-4. すべて
En2. シューゲイザー
私は、幸運なことに龍さん真正面の前の方で観ることができました。
ほんっと、よく見えすぎて恥ずかしいくらいだった。後日、つばきのイベントに遊びに来ていた龍さんに、一番よく見えた、とか言われたくらい…なんでだ、最前ではなかったのに…。
いい顔してくれてた、って言ってくれたけど、龍さんがいい顔して叩いてたからなんだよ、それは。途中でわんわん泣いたんだよ、実は。
4人のランクヘッドはここで終わっても、それまで作ってきた絆は消えない。
龍さんは、そういうものをとても大切にしてるし、それが目に見えるんだよね。
これからどうなっていくか、正直わからない。信じていいのか揺らぐこともあると思う。でも、4人を信じていきたい。信じさせてください。
今までありがとう、とは言いたくない。って言っちゃったけど。これからも、よろしくお願いします。