イングリット・フジコ・ヘミング ソロピアノリサイタル@よこすか芸術劇場

私が音楽聴きに行くというと、ライブハウスばかりと思われそうですが、クラシックも年に1〜2回は行くのですよ。だいたいは、有名どころですけれども。ということで、やはり有名どころを聴きに行ってきました。フジコ・ヘミングさん。


今回は、奮発してS席!しかも、一番前の中央よりやや下手側。
ピアノの場合、最高の席だと思います。ステージとの高低差があったから、ちょっと手元は見づらかったけど。あまりに近さに、最初登場した時に目が合ってしまって、ニコッと返してくれてどうしようかと思った(笑)

フジコさんの弾き方は、独特だ。まだるっこしそうに見えるんだけど、ああするのが彼女にとって一番無駄のない弾き方なんだだろうな、ということに徐々に気付いていった。
この人は、決して技巧派ではない。もしそうなら、難しい曲は他にいくらでもある。実際に聴いてみても、随分ゆっくりだなぁと感じる曲が多かった。プログラムを見ても、難しい曲というよりも広く知られている曲が多い。普段あんまりクラシックを聴かない人も客層に多いのかなーというかんじがしたので、それを配慮してなのかもしれない。単に、彼女の得意な曲っていうこともあるだろうけれども。

何がいいっていうと、やっぱり音だなぁ。情感豊かにってほどでもないんだけれど、音の粒があまりにきれいすぎて。カンパネラの高音のきらめきは、やっぱりうっとりするほど素晴らしかった。あと、別れの曲が良かった。私、ベタすぎてあんまり好きじゃないんだけど、こんなに良い曲だったんだー!と思い知らされました。

プログラムは文末に。黒鍵は、突然入った。次が革命だー!と思ってわくわくしてたら、あれ?黒鍵?ってかんじで。でも、曲を削ったりすることはなかったのでよかった。追加の2曲も好きな曲だったので、大満足。奮発して良かったー、と思った日でした。


ドビュッシー
・月の光
・雨の庭
ベートーヴェン
・ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 op.27-2「月光」
 第1楽章 アダージョ・ソステヌート
 第2楽章 アレグレット
 第3楽章 プレスト・アジタート
ショパン
ノクターン 第2番 変ホ長調 op.9-2
・ワルツ 第1番 変ホ長調 op.18「華麗なる大円舞曲」
エチュード 第3番 op.10-3「別れの曲」
エチュード 第5番 0p.10-5「黒鍵」
エチュード 第12番 op.10-12「革命」

<バッハ>
・主よ、人の望みの喜びよ BWV147
・アリア
<リスト>
・ため息
・春の宵(シューマン トランスクリプション)
パガニーニによる大練習曲 第6番 S.141-6
・ラ・カンパネラ

*ENCORE*
ノクターン 第1番 変ロ長調 op.9-1
・ピアノ・ソナタ 「テンペスト」 第3楽章