ワンマンツアー2006「変をしている」@SHIBUYA-AX

ついにAX!3年程前に出会い、ちょこちょことライブに足を運び、だんだんと大きくなっているのを感じてきたバンドがついにAX!!なんて思うと、なんだかとっても感慨深いです。ただのいちファンのくせに偉そうにすみません。でも、凄く嬉しい!嬉しすぎてライブ中泣いてしまったくらい。良いライブでした。こんなにしみじみと感動できるライブって、なかなか出会えないと思う。


AXのステージは、キャパ相応でそこそこ高い。その上に真っ直ぐとそびえ立つマイクスタンドが、妙に大きく誇らしげに見えた。開演までの時間は、ステージ後方の壁にランクヘッドのマーク(?)がくるくると回りながら映し出されて、凄い!照明凝ってる!金かかってる!!(笑)なんて変なところで感動してみたり。この時間がある意味一番気分が盛り上がる時かもしれない。


ちょっと長くなってしまったので、続きが知りたい方は続きを読む、をどうぞ。


客電が消えた頃、ステージ袖でメンバーが円陣を組んでるのがちらりと見えた。ついに始まるんだな、って思うと嬉しくて仕方がなかった。
登場したメンバーたちも、本当に嬉しそう。変をしている恋をしているから爽やかーなかんじでスタ−ト。少々緊張気味な面持ちだけど、間奏で
「変をしにきたぞー!」
なんて叫んでたので、大丈夫そう。
光の街で、ステージ後方に映る光が雲みたいな演出に変わってビックリ。やっぱり、凝ってるなー。サビのメロディーを聴いていると、本当に温かい光に包まれてるみたいな気分になる。


4曲目で、早くも千川。何ていうか、この曲に頼らなくてももう大丈夫だ、と思わせるような位置だなー、なんて。大抵は終盤かアンコールに持ってきてたから。Gバージョンではなく、シングルバージョン。実はこっちの方が好き(笑)のびのびーと、でも、熱い演奏。早くもテンション上がりっぱなし!


「懐かしい曲をやります」
って言うから何かと思ったら、物思いに耽る庭!物凄ーく好きな曲!毎回アンケートの『ライブで聴きたい曲』に書いてきた甲斐があったよ…イントロだけで泣きそうに。最後の種、灰空と続いて、早くも感極まってしまいました。正に、『この目から泪がこぼれて 何もかもぼやけて見えた』でした…灰空で号泣。
生と死、絶望と希望。虚無感の漂う中で、そんな相反することを歌うけれども、最後には希望の光を見つける。この頃のランクヘッドはそんな曲ばかりで、そんな部分に惹かれて好きになった。今の彼らが演奏すると、痛みの部分よりも光の部分をより強く感じる。強い力を得たことを、感じる。


続いて、アコギを抱える小高くん。
「これは、14の時におかんからもらったフォークギターで。コレ、音を電気に変えるやつ(ピックアップ)は壮のなんだけど。このギターがなければ俺は音楽をやっていなかったかと思うと……。今年の夏はコレと一緒に、全国を廻りました。」
「夏の曲をやってもいいかな?」
ということで、夏の匂い。小高くんの声が、会場を包み込む。ちょっと切なくて泣きそうな、でも温かい気持ちにしてくれる。


月と手のひら、久々に聴けた。続いて、プルケリマ。この2曲には、深いつながりがあるように感じました。月と星の輝くきれいな夜と、手を繋いで歩く親子。似たようなシチュエーションが出てくるだけでなくて、もっと大きなテーマの部分で。じんわりと心に滲み渡る、いい歌。


小高「俺ら、新居浜の西高校ってところで出会ったんだけど、新居浜にはライブハウス文化ってもんがないんよ。で、東京に出てきて、龍と一緒に下北沢に行って。初めて屋根裏の看板を見つけたときは、すごい感動して。みんな、ライブハウス行ったことある?」
合田「そりゃ、あるでしょ。」
小高「や、AXとか大きい所なら平気だけど、小さい所は恐いって人もおるかもしれんし。俺がそうだったし。カツアゲとかされそうで(笑)」
小高「俺ら結成した頃には、未成年もおったし。」
合田「小高以外は、そうだった?」
小高「4月生まれだからね。」
あと、ライブハウスのオーディションをテープであっさり落とされた話とか、いろいろしてたのですが、ちゃんと思い出せず…。そんなMCの最後に、次の曲紹介。
小高「今年のランクヘッドのテーマソングです。僕らの背中と太陽と。」


ゆったりしたリズムが心地良い。高校生の頃の様子が垣間見れるような。やんちゃだけどかわいらしいなぁ。小高くんは情景描写が上手いなぁ、と思います。きれいな朝焼けが目に浮かぶような。そこから未来に思いを馳せる様子を、丁寧に、熱く、綴っていました。


体温が熱すぎた。上がりすぎた。熱い思いがぶつけられてくる。ここからの流れは、濃厚すぎてもうあんまり覚えてないです。熱くて楽しくて最高だ!としか思えなかった。カナリアボックスでは会場中が腕を振り上げて、キツキツだけど幸せ。ラストのすべてが始まる前、小高くんが何か話していたのはわかったのですが、音響の関係でよく聞こえなかった。残念だけど、熱い思いだけは伝わってきた。そして、
「生きてくれて、ありがとう!」
と、叫んだのはわかった。もう、また泣きそうになってしまうよ。


アンコールに応え、まずは龍さんが一人でステージに登場。ペットボトルの水をポーンと客席に投げて、客を煽りまくって、自分もステージから落ちて!(ビックリしたー!)
「3分だけ、時間をください。」
という言葉から始まった、龍さんの話。去年の今頃、ランクヘッドを辞めようかとも思っていたこと。腕の故障でね、と。その頃にはアルバム『LUNKHEAD』のレコーディングも始まろうとしていて、今年はAXでやりたい、という話も出ていた。小高くんとサシで熱く語り合って、二人で男泣きしたこともあった。もしかしたら、このツアーファイナルAXが最後のライブになっていたかもしれない、とも。でも、もう大丈夫だって。メンバーや周りの人たち、ライブに来てくれるみんなのお陰で、ここまでくることが出来た。最後に、
「本当に、ありがとう!」
って、マイクを通さずに言ってくれました。


アンコール1曲目は月光少年。たくさんの手のひらが頭上に舞う。
『空に光る月でさえも この手に掴めるような』
幸せな気持ちをたくさん掴めたような、夜になったなぁ、って。


「僕ら、大事な曲を忘れてました!」
と、言い放った後に前進〜。小高くんと悟さんの掛け合いが、ホント楽しそうだった。お互いの調子を伺いながら、顔近づけすぎー!!なんて場面も(笑)間奏のところで、小高くんと壮さんが前に出て弾いている時、悟さんがステージ上を左右に行ったり来たりしてる様子がとてもかわいらしかったです。


この日、悟さんの近くに、何かの動物(哺乳類)のぬいぐるみ(?)が置いてありました。かなりリアルなかんじの。アレ何だろ?と気になってはいたのですが、最後の方になってようやくこのことに触れてくれました。
合田「なんでコレにツッコミ入れてくれないの!?」
合田「僕ら来月初のDVD作品を出すのですが、そのジャケットに使われた…マーモットくんです。ビクターの人が何を血迷ったか買ってしまいました(笑)この子の名前を募集したいと思います!」
そのMCの後、悟さんがマーモくんを龍さんの方へ向ける。
石川「こっち向けんな!」
と、笑いながら言う。さらに、角度を調整する悟さん。妙なところで細かい(笑)
会場限定販売のCDのことにも触れて。オークションに出てるみたいだけど、事務所で全部買い占めて犯人突き止めるからな!って。自分たちの大事な音楽が、純粋にそれを求める人たちを利用した金儲けに使われたらたまらないもんね。


いつだったかは覚えてないのですが、小高くんが気合いを入れて
「よし!」
と言った後に、
「たろー!」
と叫んで。みんな、「???」という反応だったのですが、3秒後くらいにようやく分かった。「よし」「たろう」=「芳太朗」ね。自分のことね(笑)
その後も何度か、小高くんの「よし!」の後に、観客が「たろー!」と応える場面が。悟さんは「みんなもノらなくていいから。」なんて言ってたけど、楽しかったのでいいや。


そして朝が来たは、締めと同時に、新たなスタートを感じる。この日何度、幸せだ!と感じたことだろう。ありがとう!と心の中で叫んだことだろう。嬉しいんだけど、もう終わってしまうことがどこか寂しくて。だから、2度目のアンコールでメンバーが三たび現れてくれたことが嬉しすぎました。

小高「何やろうか?」
小高「もうやる曲は決めてるんだけど。」
合田「そういうこと言うなよー。」
小高「呼ばれなかったら、終わりなんだけどね(笑)」
小高「この曲を、こんなに笑顔でやる日が来るとは思ってなかった。昔は、ステージの上は戦場だったし。周りは敵だと思ってたし。」


白い声リリース前あたりから、ランクのライブに通い始めた。けれど、当初はライブに入り込めるのには時間がかかり、ライブ中盤くらいにようやくしっくりくるかんじだった。それは、そんな気持ちが小高くんにあったからなのかな。今になって思う。


泣きそうだ、と突っ込まれた小高くん。
小高「ここは泣くところじゃないし。」
合田「泣くところだよ(?)」
小高「ここは目的地じゃなくて、通過点だから。まだ泣くわけにはいかん。」

「泣けばいいのに」的なことを言う悟さんの方こそ、泣きそうだった。ちょっぴり目が赤かったし、泣いてたのかな?小高くんも、目、潤んでたよ。でも、それは正常な反応だと思う。ランクのメンバーが上京して、改めて結成された年の終わりに出来たAX。AXでやることを、とりあえずの目標にしてるバンドって、多いんだろうなぁ、と。ランクもそんなバンドの一つなんだろうし。そりゃあ嬉しいよね。おめでとう!って言うのはまだ早いのかもしれないけれど、心の底から言いたい。

「俺ら、みんなのこと応援しとるけん、しんどくなったらいつでもここに帰っておいで!」
そう言ってくれたことが、とっても嬉しかった。ラストの白い声はとても力強く、小高くんが、ランクヘッドが、すごく大きく、頼もしく見えた。

龍さんがドラのバチを持って、指で『3』と示す。3回叩くからね、って合図。全ての思いを注ぎ込むようにドラを三度鳴らして、終わった。感無量。客電が点いてからも、しばらくぼんやりとしてしまっていたよ。でも、とても満ち足りた気分でした。あの空間に居ることが出来て、とても幸せでした。余韻覚めやらず、そのほわーっとした幸せな気持ちは、2〜3日引きずってしまったくらい。改めて、ありがとう、と言いたい。何度言っても言い足りないくらいだけど、ありがとう。


*SET LIST*
01. 恋をしている
02. 光の街
03. 虹
04. 千川通りは夕風だった
05. 物思いに耽る庭
06. 最後の種
07. 灰空
08. 夏の匂い
09. クローバー
10. 月と手のひら
11. プルケリマ
12. ハイライト
13. 僕らの背中と太陽と
14. 体温
15. インディゴ
16. loop
17. カナリアボックス
18. すべて


en1-1. 月光少年
en1-2. 前進/僕/戦場へ
en1-3. そして朝が来た


en2. 白い声