ワンマンライブ「犬、船に乗る」@Shibuya WWW


OverTheDogsは、観てるとなんだかとても愛おしく感じてしまうバンド。私にとって初めての、待望の、ワンマンでした。


静かな、深い森の中を思わせるようなSE。そこに乗っかるように新たな音が混じる。メンバーの登場だ。4人が定位置につくと、最後につねくんが入ってきて、真ん中でペコリとお辞儀。
流れている音楽はそのまま、眠れる森へ。初めて聴いた、きれいな曲。イッツアスモールワールドのような、短めな導入の曲。ツアーでは、この二曲を交互にやっていたっぽい。

弾けるような明るさのイントロ、みぎてひだりて。踊る、跳ねる、つねくん。見てるだけで嬉しくなっちゃう、可愛い曲だ。最近ライブで観ていて、とても好きになってきた。
ガラリと変わった雰囲気に、思わず息をのむ。神様になれますように。既存の曲だと、地球生命体に近いかな。マイクのコードで輪っかを作って、覗き込むつねくん。そこからは、何が見えているのだろう?
君がこのままは、意外すぎてすぐに気付かなかった。まさか、おとぎ話のc/w曲を持ってくるとは。これまたかわいい曲だ。


「はじめまして、OverTheDogsです。今日は僕たちにとって特別な日で、来てくれたみんなにとっても、そうなってくれるといいと思います。」
そして、特別な日になった所以である、新しいレーベル立ち上げの話。
自分たちでレコーディングとかをしていて、どうやってCDを作るのかとか分からなかった頃、今のマネージャーである坂本さん(ぬぼーっとした人、とか言われてた。笑)が「ウチから出す?」と声をかけてくれて、ワイキキレコードから『A STAR LIGHT IN MY LIFE』を出したことから始まり、現在の話へ。佐久間正英亀田誠治といったプロデューサーと共にレコーディングを行っていて、新たなレーベル『FOGHORN』からリリース予定であること。FOG=霧、HORN=笛→霧の中を走る船が鳴らす汽笛のこと、らしい。存在証明、道標、みたいなことなのかと思いました。だから、今回のライブのタイトルは“犬、船に乗る”なんだとか。出航、だね。
佐久間さんの名前はツイッターなんかで出てたけど、亀田さんもだなんて!会場に花が届いていて、何でだろう?と思ったら、そんな大物たちと一緒に制作していただなんて…。どうやら秋頃発売予定らしい。待ちきれないな。


ここぞ、というところのおとぎ話。みんな、すごく熱がこもっているように感じた。ライブのおとぎ話はすごい。圧倒される。飲み込まれて、音と一体になったかのようだ。
輝くようなイントロの鍵盤の音、カフカだ!星くんの音、とてもキレイなんだ。Aメロかな、ダイキさんが煽って手拍子が溢れる。ちょっと切ないサビも好き。オバドグは、メロディが本当に良い。ラバーボーイラバーガールもかわいくて、見てる時ずっとニコニコしちゃってた。


「メンバー紹介します!」
つねくんが一人ひとりの名前を呼んで、全員が前に出てくる。並び終わると、手拍子が。??と思っていると…
『セーロリーは きらいだよっ セーロリーは きらいだよっ!』
…まさかのセロリは嫌い(笑)これで、みんなのキャラクターがなんとなくわかった気が。
 ダイエットは嫌いだよ→ダイキさん
 プールは嫌いだよ→さんちゃん
 みかんは嫌いだよ→星くん(美声!)
 おばけは嫌いだよ→なおちゃん
なおちゃんの時は、何故か(?)笑いが…や、かわいいよなおちゃん!オチってかんじだね!(笑)
そして、再び手拍子が…今度は、頭が悪いだけ!Basement Barで一度聴いた時はちゃんと演奏ありだったのに、今回はアカペラ…。二曲とも、お客さんも一緒に合唱でした。楽しかったなー。


星くんがイントロを奏で始める。私の、大好きな曲!
「人が死んだら、星になって、そしたら今度は星が人になって、そうやって繰り返していけば、また会えるんじゃないかなって。こんな時だけれども、例えば生き物じゃなくても、燃えてしまった大切な手紙も、星になって、また新しい言葉になって産まれてくるんじゃないかと思うんです。」
この曲の前、つねくんはいつも、人が星になって、星がまた人になって〜というくだりを話すけれども、手紙や言葉についても、そう思っているということは初めて聞いて。不思議と納得してしまった。メテオ。好きすぎてまた泣きそうになってしまったよ。(実は前週の大阪で号泣しましたすみません…)キレイな、純粋な曲。


「本が、紙の本がなくなってきているみたいですね。電子書籍とかも出てきて…。でも僕は、本が好きで、めくった時のインクの匂いとか…だから、僕の子供には、本を読んであげたいと思います。」
メクルの本!前へ後ろへ、跳ねるように動くつねくん。なんだか、とても幸せな気持ちになれる曲。思い出しても顔がにやけちゃうくらい、ずっと笑顔で観てた。うまく言葉にできないんだけど、OverTheDogsの音楽が持つ力を感じたんだ。
最後は、本当の未来は。つねくんの発想はすごいな。どんなに歩いても疲れない靴、欲しいな。調理しなくても、すぐにご飯が出てくるようになったらいいな。がんの治療薬、出てくるよ、きっと。最後、マイナス5年って言ってたけど、前はもっと長かったような気がする。近づいてきてる、未来が。まぶしい光に包まれたような気分だったよ。


アンコール。
「あと2曲だけ。」
と演奏されたのは、うた。“うたをうたっていたい”という決意が、希望が、溢れてる。最後に、逆さまミルクが優しく奏でられる。『ミルクを逆さにこぼしては 真っ白な世界に閉じ込められただけ』こんな世界観がとても好き。このバンドにとって、大きな意味をもつ曲になる、そんな予感がしました。


実は今回、番号がとても良くて最前を取ってしまって。メンバーの手元や表情も、よく見えた。みんな、嬉し恥ずかしなかんじではにかんだり、ニコニコしたり。見てて、とても心が温まった。このバンドに出会えてよかったなぁ、と思う。きっと、もっともっと大きくなるよ。あー、早く頭の中で鳴っている曲たちが、音源になる日が来ますように。



01. 眠れる森
02. みぎてひだりて
03. 神様になれますように
04. 君がこのまま
05. おとぎ話
06. カフカ
07. ラバーボーイラバーガール
08. セロリは嫌い〜頭が悪いだけ
09. 普遍ソング
10. メテオ
11. メクルの本
12. 本当の未来は


En1. うた
En2. 逆さまミルク



おまけ。ガチャガチャやったら出たよ。多分、星くん作。

もひとつおまけ。ライブ後、下北沢の風知空知で作ってもらったのだ!かわゆす。